ストーマの適切な介護を行うことは、ストーマを造設した要介護者が当たり前の日常生活を行えるようにサポートするためにとても重要です。
特にストーマ造設後は排泄機能そのものが変わるため、身体的な負担だけでなく精神的な不安を感じることになり介護者が意図しないことでも簡単に自尊心が傷ついてしまいます。
ストーマの管理は一生続くものである以上、できる限り心身の負担を緩和するようなケアが介護者に求められます。
ストーマ部分は排泄物で汚染されやすく、ストーマ周辺の皮膚も皮膚保護剤やテープによる刺激などで皮膚障害が起きやすくなります。
そのため装具交換を行う介護の際には、ストーマ周辺の皮膚が汚染されないように面板ストーマ孔カットや適切な装具交換に技術が必要です。
また、皮膚トラブルを予防するためにストーマ周辺の皮膚の洗浄を適切に行い、皮膚保護剤や洗浄剤が肌に残らないようにしっかり取り除くなど細やかなケアも大切になります。
ストーマの装具や皮膚保護剤、皮膚被膜剤、洗浄剤などを要介護者の肌に合わせたものに変えるなど個々の事例に合わせた対応も求められます。
適切な対応を行うためにはストーマによって起こる皮膚トラブルや装具についての知識を正しく得るための勉強も必要ですが、ストーマ造設後はストーマ粘膜皮膚接合部の狭窄、傍ストーマヘルニア、ストーマ静脈瘤などの合併症が起こる可能性もあるので合併症に対しての知識も合わせて身に付けましょう。