オストメイト、つまり人工肛門をはじめとしたストーマを使用している方との接し方は、介護職にとって非常に重要な部分です。
現在の日本には20万人近くの人がストーマを装着しているというデータもあり、高齢化などによる大腸がんの増加によってオストメイトの数も増加傾向だと言われています。
介護職がオストメイトの方に介護を提供する場合、相応しいサービスができるかどうかと、心理的ケアをしっかりできるかの2つが重要なポイントです。
ストーマの交換や装具周辺の皮膚のケアなど基本的な業務は必須です。
ほかには、オストメイトの方が抱えている心理的な悩みに向き合う心理的ケアも重要です。
ストーマが原因で、日常生活のさまざまな場面で不都合を感じることもありますし、オストメイトであることを恥ずかしく思う感覚を抱いている方もいます。
そんなオストメイトの方たちの精神面に対して適切なサポートを行うことも、介護職の大事な役割と言えます。
もちろんこれは介護職だけが担当する役割ではありませんが、介護施設を利用しているオストメイトの方にとって介護職は自分の健康状態をもっともよく知っている人となるだけに、コミュニケーションを通したケアが重要になってくるのです。
そのためにも、ストーマに関する正しい知識を身につけたうえで適切なアドバイスができるようにしましょう。
例えば入浴や着替えをするときのちょっとしたコツ、気になるニオイ対策(あるいはニオイに対して神経質になる必要はないと説明する)についてなど。
ちょっとした気遣いがオストメイトの方の精神的な負担を大きく緩和することもあるので、介護職の役割として踏まえておきたい部分です。